1969年、ウッドストック・ミュージック&アート・フェスティバルで40万人を動員するなど、ロックが大きな潮流となり、歴史に伝説を残すことになるが、その反面、国家権力によるドラッグの規制強化、表現の自由への干渉が始まり、ロック・シーンにも大きな影響を及ぼした。
アメリカでは、ブルースやカントリーへのルーツ・サウンドへの回帰が大きな流れとなり、音楽の中心は北部から南部へと移っていった。 バーズ、ザ・バンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルらに代表されるカントリー・ロック、デラニー&ボニーやレオン・ラッセルらの影響でイギリス勢までを巻き込んだスワンプ・ロック、さらにオールマン・ブラザーズ・バンドら南部黒人音楽の伝統的なブルースをベースにしたサザン・ロックという潮流を生み出した。
また、ロックサウンドの多様化はバンドという概念を揺るがし、同じベクトルを持つメンバーによるスーパーグループが集合離散する様となり、社会と大きな関わりを持ちながら、革命的に進化した60年代ロックの黄金期は次なる大きな流れに飲み込まれることとなった。