ワン・ダイレクション(One Directionまたは略称で1D)は、イギリスのオーディション音楽番組『The X Factor』の「Boys」部門に別々にエントリーしていた5人がプロデューサー、サイモン・コーウェルにより見出され、グループとして結成されたイギリスおよびアイルランド出身のボーイ・バンド。
メンバーはナイル・ジェームス・ホーラン(Niall James Horan)、リアム・ジェイムス・ペイン(Liam James Payne)、ハリー・エドワード・スタイルズ(Harry Edward Styles )、ルイ・ウィリアム・トムリンソン(Louis William Tomlinson) 、ゼイン・ジャヴァッド・マリク(Zain Javadd Malik)のヴォーカル5人編成だが、2015年3月26日にゼイン・ジャヴァッド・マリクの脱退が発表された。
報道によれば、ゼインはスポットライトの外で「普通の生活に戻る」ことを希望して、バンドからの脱退を決断したという。ゼインは声明で以下のように述べている。
「One Directionとして過ごした僕の生活は、想像していた以上のものだった。5年が経過して、僕はバンドを離れるちょうど良いタイミングだと考えた。」
「ファンには謝罪したいと思っている。僕は、スポットライトの外で、プライベートな時間をリラックスして過ごすことができる普通の22歳になりたい。」
また残りのメンバーは、4人でバンドを継続するとともに、5枚目のアルバムのレコーディングと、ワールド・ツアーを敢行していくという。残りのメンバーからの声明は以下の通り。
「これまでの5年間は、本当に驚異的なものであったし、僕たちはそんな日々をともに歩んできた。だからこそ、僕たちはいつまでも(ゼインと)友人であり続ける。」
「僕たち4人は、新たなアルバムのレコーディングと新たなワールド・ツアーで全てのファンに会えることを楽しみにしています」
これまで、ワン・ダイレクションは疾風の如く、まさに時代の寵児となって音楽シーンを駆け抜けてきた。
そのスピードに疲弊して一人の22歳の若者が去った。しかし、バンドの未来図の中ではそれは一つの章の終わりにすぎないかもしれない。
2011年のデビュー・アルバムの「Up All Night」は、イギリス出身のアイドルのデビューアルバムとして、ビルボードチャートで1位を獲得し、世界17カ国、ライブDVDが27カ国、セカンド・アルバム「Take Me Home」〔2012年)が37カ国、そしてサード・アルバム「 Midnight Memories」 (2013年)でも全米・全英・日本を含む31カ国の週間チャートで1位を獲得するなど、世界中を席巻しつづける今世紀最大のスーパーグループとなる。
2013年のワールド・アリーナツアーでは、日本を含め計23カ国で約200万人を動員。世界公開の映画『ワン・ダイレクションTHIS IS US』も興業収入70億円を超えるヒットを記録。日本においても、サード・アルバム収録曲が『ドコモの学割』TVCMや日本映画『好きっていいなよ。』の主題歌に起用される。
全世界トータルセールスは4,600万枚を突破し、「デビューから3作連続で全米チャート初登場1位を記録したグループ」として正式にギネス世界記録にも認定。